Be beautiful.


   雪の肌ぬばたまの黒髪もてり乙女はやがて匂ひ出づめり

   鏡なすわが思ふには白雪の知らずげにやあらむ美々し君

   雲霞たなびく森の奥まりたるに捨てて来よ心臓を持て来よ

   ふたたび鏡に問ふなり現し世の傾城はどこぞ答へたまへ

   林檎てふ幸福の果実をだうぞ奇しき老婆差し出したれば

   七人の小人ども泣き満つれば亡骸は花に隠し置きたり

   長き夜を寝てしかな常初花の君を見出づる運のまにまに

   口吻をもつて覚むる乙女のくちびるは赤かり林檎のやうに