思春期


   星はいまこそかがやけり漱石忌

   切りすぎた襟足を北風がゆく

   真夜中よ抱くものは湯たんぽばかり

   まぼろしを見つめて更けりクリスマス

   雪上に寝ころんで吾とは何か

   オーロラはをんなの瞼にあらわる

   きみが微笑んで除夜の鐘は鳴りし